コロナを機に会員登録したNetflix。このまま半永久的に登録し続けそうなくらいには飽きることなくいろんなドラマを見てるのですが、勉強になるコンテンツも多いのがNetflixのいいところだなと思ってます。過去に黒人差別に関して学べる作品としてNetflixにある13thを紹介したのですが、今回はいくつかまとめて最近見た良かったNetflixの学べる作品を紹介します〜!
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彼女の権利、彼らの決断
Twitterでたまたま見かけたツイート。Netflixにこんなドキュメンタリーがあったのか〜!となり、早速みました。原題はReversing Roeというらしいです(ローを覆すというタイトルで、ロー対ウェイド判決からきたタイトルみたいです)。
*1973年、ロー対ウェイド判決で米国では妊娠中絶が女性の権利として認められました。
米国の人工妊娠中絶を巡る攻防に迫ったドキュメンタリー。
反対派による、中絶を行う医師や女性たちへの猛烈な攻撃は想像を絶する。そして、米国においてこの問題がいかに政治の道具として使われているかを知って、恐ろしくなった。
『彼女の権利、彼らの決断』Netflixhttps://t.co/dN7QuX6ycY
— 中村佳太 (@keitanakamu) May 22, 2022
よく考えたらアメリカでの人口中絶に関する動きは全然知らず。このドキュメンタリーは中絶支持派と反対派両方の立場を知ることができるのでとても良かったです。直近、アメリカで中絶の権利を認めないとロー対ウェイドでの判決を覆す判断がなされ、各州が中絶を違法とするか否かの決定ができるようになりました…個人的に子どもを産むか産まないかの選択は国ではなく女性が決められて当然だと思っているので、この判決は本当に衝撃的で、ロー対ウェイド判決で女性が中絶の権利を勝ち取るまでの経緯をドキュメンタリーで見たら、なんで逆戻りしてしまうんだろうと悲しくなりました。
あと海外の中絶で思い出すがNetflixで見たSex Education.中絶ができる病院の前に中絶反対派の人が座り込んでいて、病院にやってくる女の人を非難していた場面。中絶ってしたくてする人っていないと思っていて(だって中絶も身体の負担になるし、望まない妊娠によるものが多いから)、だからこそ、中絶する(せざるを得ない)人の気持ちも配慮される世の中になったらいいなと思ったりしました。今回のアメリカでの中絶を違法とすることを認めるという判断は結構ショックです。
*これに関連して読んだ「射精責任」という本も面白かったので気になる方はぜひ!
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グロリア・オールレッド:女性の正義のために
同じく中村佳太さんに教えていただいたおすすめのNetflixドキュメンタリー。性差別や性被害と闘い続けるフェミニスト弁護士の戦いを記録したドキュメンタリーです。
正しいことをしっかりと声に出して主張するパワフルな女性がいることにパワーをもらえる作品でした。そしてその娘さんも母のように精力的に活動されているのも素敵だったな〜トランプが大統領に選ばれた時、ちょうどアメリカの大学にいた頃でたくさんの人がショックを受けていたのも知っていたけど、その時に彼女がこんな活動していたとは全然知らず…
特に性暴力/性差別に関しては日本において政治や宗教と同じくらい、炎上しやすくもあり、人が大きな声で意見を言いにくいトピックで、避けられやすい(見なかったことにしがちな)トピックだと思います。でもそれで声を上げなかったらやっぱり何も変わらない。声を上げたら変わるという保証はないけど何もやらないままではやっぱりダメだよなというのを改めてこのドキュメンタリーが教えてくれた感じ。一人の声では変わらなくても言わないとそもそも何も始まらないんですよね。
祈りのもとで:脱同性愛運動がもたらしたもの
「同性愛は病気で、神様を信じたら変われる(=異性愛者になれる)」と脱同性愛運動をおこなっていた宗教団体Exodus(エクソダス)に関するドキュメンタリー。エクソダスとその傘下にあった団体は、同性愛に悩む人に”転向療法”(カウンセリングのようなものを通して異性愛に無理やりする)を行っていたのだそう。でも転向療法を受けても異性愛になれなかった人たちは自分の努力が足りないなどと自己嫌悪に陥るようになり、多くの自殺者が出たそうです。そんなエクソダスに関わっていた元指導者や参加者のインタビューを交えたドキュメンタリーになっています。
エクソダスは1976年に始まった2013年に活動を終了させたものの、今でもその傘下にあった団体は活動を続けているようで、その大きなものにはRestored Hope Networkという団体があるそう(この団体の主要人物もNetflixがインタビューしようとしたが取材拒否となったらしい)。Restored Hope Networkは性関係で罪を持つ人たち(=同性愛者)が悩みを共有できる場であり、ex-gay(元同性愛者)を繋げるコミュニティとして今でも機能しているようです。
日本ではLGBTQ+への理解が浸透するのがアメリカに比べてかなり遅かった印象があって、アメリカに行った時LGBTQ+への配慮がすごいなと思った記憶があるけど(もちろんこれも州によって温度差はある)、こういった脱同性愛運動が行われていた背景を知らなかったのでとても勉強になりました。同性愛がアメリカで受けいられるようになるまでには、脱同性愛運動で苦しんだ人がいること、それでも声を上げ続けた人がいるっていうことを忘れてはいけないなと思いました。
まだまだ気になるNetflixのドキュメンタリーたち
一度調べ出すと、Netflixには政治や歴史、社会問題を取り上げたドキュメンタリーがたくさんあり、まだまだ見たいドキュメンタリーがあります。
- アメリカンミーム(SNSの光と影の話)
- オードリーとデイジー(性的暴行事件の話)
- キープ・スイート:祈りの服従(キリスト教会原理派とそれに関連した犯罪の話)
- マーサ・ミッチェル-誰も信じなかった告発 (ウォーターゲート事件の話)
ちょっと重たそうなドキュメンタリーも多くて、気持ちが下がっている時や疲れている時には見れなさそうなものが多いのだけれど、せっかくNetflixにあるので順番に見ていきたいなと思っています。他にもまだまだNetflixにいいドキュメンタリーあると思うので、もしおすすめのNetflixドキュメンタリーがあればぜひ教えてください〜!
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