アメリカの大学を卒業して日本に帰国後、大手日系企業で働いていた私がTwitterでたまたまみつけた鈴木綾さんの連載。日本での生きにくさをめちゃくちゃ感じていた5年前の私にとっては響くポイントが多かったです。この頃はまだ、綾さんが日本人ではないということも知らなかったのだけど。
そんな鈴木綾さんの連載が本になる、しかもゲラを読ませていただける!ということで早速応募。幻冬舎plusにて日本から脱出する優秀な「出国子女」たちへの複雑な気持ちというタイトルで読ませていただいた感想を掲載いただきました。が、書ききれなかった考えさせられたことや気づき、学びがあったのでブログにも記録します。
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出国女子に対する気持ちの落とし所
私は出国女子になり損ねたのか、なれなかったのか、なりたくなかったのか。海外で就職している人たちを見ると羨ましくなる時と、私には意味(目的)があって日本にいるのだと言い聞かせる時と。海外でパートナーを見つけている友人や家庭を作っている友人をSNSで見ると、私にももしかしたらそういった道があったのかもしれないという気持ち(そしてそのために努力を一切してこなかったことへの後悔)と、でも今の日本での生活は楽しいし大好きと思える相手に日本で出会えたからこれでよかったんだという気持ち。今からでも海外に出られるやん!っていう気持ちと、でもなんだかんだ日本に大切な人たちがたくさんいるし、日本ってご飯が美味しいしっていう気持ちと。
結局落とし所は、隣の芝生は青いんだな〜ということ。海外にいたらいたで、何か思うことがあっただろうし、人生何事も理由があって起こるんだから、ある程度流されながら生きるのでやっぱりいいのかもなんて言い聞かせながら、もしかしたら私も出国女子予備軍なのかもしれないしと思いながら、日本で今できることをやってればいいんだと思う。
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FOMOが私に与える影響
本の中で取り上げられていた日本ならではのFOMO(Fear Of Missing Out)。日本って、みんな一緒!が安心であることが文化として根付いているから、このFOMOとどう付き合うかっていうのが大きな課題なのかなと本を読んでいて思ったり。例えば30歳までに結婚すると勝ち組的な雰囲気があるけど、それもFOMOからによる気が。周りが結婚し始めると自分も結婚を意識し始めるっていうのがあるあるで、FOMOから結婚するのってどうなんだ?と思う最近。
取り残されることによる不安と恐怖ってどうやって向き合うのが正解なんだろう。というかどうやったら向き合えるのだろう。30歳になった時にもし取り残されていたとしても強く自分の意志や気持ちを貫けるよう、今私ができること(対策)は何なんだろう。
環境って私にとっては決断に影響を及ぼす大きな要素で、日本という環境に居続けることが、これからの私の決断にどんな影響を与えるのかがとっても不安な最近。
伝えることを諦めてしまう私
本の中で、「フェミニズムってよくわからない」とデート中に彼に言われたのに対して「だけど女性にはいろんなことが…」と誤魔化し、それ以上の説明をしなかったと書いていた綾さん。今後彼のように感じる男性が増えるだろうとも。自分が綾さんの立場だったら、おそらく同じように答えるだろうなと思いました。
ファミニズムに限らず、LGBTQ+の話や、宗教の話、政治の話などなど、私は意見を持っていても結構話さないタイプ。こういったタイプのトピックについて誰かに話すって結構エネルギーを使うことだと私は思っていて、私はそれをいつもあきらめてしまう。頑張って話しても理解してもらえなかった時の悲しさを考えたら話さないでいいかって。
でもこれじゃいつになっても世の中が変わらないんだろうなって。フェミニズムに対してネガティブなイメージを持っている人に「フェミニズムは別に女性優位にしろと言ってるのではなくて、男女平等を主張しているだけ」ということを伝えなかったらずっと誤解され続けてしまう訳で。あるいは何かについて私が話さないことでこの子は興味ないんだとか、深いことは考えられない子なんだとかと思われてしまうわけで。今年も残り5ヶ月を切った訳なので、エネルギーを温存せず、直面した時毎にきちっと説明する・自分の考えを伝えるようにしたいなと思ったりしてます。
この複雑な時代に生きる、複雑な自分
こうやって書いていると日本ってなんて生きにくい国なんだろうとか、自分に日本は合ってないんじゃないかなと思うけれど、完璧な国なんてどこにもなくて、どこの国にもいい悪い点があるんだよなということも「ロンドンならすぐに恋人ができると思ってたのに」を読んで感じたことの一つでした。その一つがロンドンに存在するパートナー文化。学歴・キャリア・身体・パートナー(家族)完璧にいきていかないといけない圧力がイギリスにも存在すること。日本と少し違った圧力があるみたいだけど(日本は性別で求められること、かけられる圧力が異なるよね)、これはこれで生きにくいと感じている人も多いのだろうな〜と。
結局は、今いる場所で自分の居心地の良い場所や一緒にいて居心地の良い人を見つけること。そして人は絶えず入れ替わるのだから、自分のライフステージに合わせて場所と人を選び続けること。それがこの複雑な時代に生きる、周りの圧力に屈することなく自由に生きたいと思いながらも時には流されることを選ぶ、複雑な私がこれからも意識していかないといけないことなのだなと思ったりした一冊でした。まだ読まれてない方はぜひ!