スナックで働いていて考えた「彼氏がいない」と答えるのは悪なのか問題

社会人ライフ
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以前、スナックで言われた「美人じゃないけど愛嬌があるね」に対する模範解答について考えた話を書いたら、結構反響をいただきました。スナックじゃなくても、会社の飲みの場とかでも「美人じゃないけど愛嬌があるね」と言い出す人いるもんね…

毎週スナックで働いていると、楽しい日もあれば、もやもやを抱えて帰る日もある。それを書くことでどんどん消化していけたらいいかなと思って、今回もスナックで考えた「彼氏がいない」と答えるのは悪なのか問題について記録しておきます。

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彼氏いるの?って聞いてくるお客様

スナックで働いていると、「彼氏いるの?」って地味に聞かれます。パターンは大体2つで、①3軒目くらいでうちのスナックに初来店の結構酔ってるお客様が聞かれるパターンと、②初来店では聞かなかったけど顔を覚えられて距離が近づいてきたかなというタイミングで聞かれるパターンです。

スナック水中で働き出して初めの数ヶ月は、「彼氏いるの?」に対しては「いないんですよ〜〜〜誰かいい人いたら紹介してください!!!」って答えてました。特に罪悪感もモヤモヤも感じなかった気がします。

ちょっと違和感を感じるようになったのが、働き始めて半年がたったころあたり。顔馴染みの常連さんが増えてきて、人生相談とかに乗ってくれる常連さんがいる中で、相手の方が親身に話を聞いてくれているのに私は嘘をついていいのか?と思い始めたのが理由でした。常連さんとの関係性・距離感が変わるにつれて、嘘をつきたくない人っていうのが何人か出てきたんですよね…

スナックに来るお客様の目的は?

そもそもスナックに来る理由は皆さんそれぞれ違います。女性と話したくて来る方もいるし、シンプルに誰でも良いから話したい/話を聞いてほしくて来る人もいます。カラオケを歌いたくて来る人もいるし、ただお酒を飲みたくて来る人もいます。スナック水中の場合は「女性」というよりかは「若い人」と話したくてor「若い人」をサポートしてくて、来られている方もいます。

また、難しいのは同じお客さまでも来る日によって目的が違うこともあるところ。今日は誰とも話さずただカラオケを歌う日、今日はママ/スタッフじゃなくて友達と一緒に話す日、今日はプライベートではなく仕事の関係の方との接待の日といった感じ。

その人、あるいはその人のその日のスナック来店目的によっては、私が「彼氏いません〜!」と答えるのが正解な時もあれば、「彼氏いるんですけど、色々うまくいってなくて人生の先輩としてアドバイスいただきたいです!」が正解な場合もある気がします。

男性はスナックに夢を見にきている?

そんなことを考えていたことをママにシェアしたら、スナック水中としては、パートナーの有無を伝えるかのスタンスは個人のスタンスにお任せであることを前提に、ママが昔読んだエッセイをシェアしてくれました。

このエッセイ、かなり前のものなのですが、めちゃくちゃ良いので(語彙力w)ぜひ読んでもらいたいのです。これを読んで、これがスナックで働く女性の現実?現状?なのだな〜となりました。キャバクラでもガールズバーでもない、スナックでも、夢を見に来ている男性が一定数いて、それに女性は答え続けているのか、と。

ここのエッセイに登場するあきちゃんはある意味素晴らしくて(スナックで働くプロ意識がすごくて)、プライベートとしっかり切り離すことで、自分の生活も男性の理想(夢)を守ったのだなと。でも読んでいて、そこまでプライベートとは違う世界であることを割り切ってまで、私はスナックで働きたいのだろうかという問いも浮上してきました。

スナック水中、だからこその難しさ

「彼氏いるの?」と言う問いになんて答えるか迷う難しさは、スナック水中と言うお店との特徴や私とお店の関係性も大きく影響しているように思います。

というのもスナック水中は一般的なスナックとはちょっと違うところがあります。例えば若い人たち(特に強がり女子)にもスナックに来てほしい!と掲げているだけあって、20代の方、女性の方のご来店も多いです。となると、同世代のお客様にはできるだけ同じ目線で、リアルベースで話したい、自分のことを積極的に話すことでお客様も自分のことが話しやすい状態を作りたいと私はなるのですが、それを横の年配の男性客が聞いたらどう感じるのか…と悩む。

あるいは、私に彼氏がいることを知っている友人がお店に来てくれて、私が彼氏いない体で働いていることを知らず、その友人が私の彼氏のこととかをスナックで話したら、常連さんに嘘がバレてしまう可能性もあるかも…と悩む(これは事前に来店予定のある友人にシェアすればいいことでもあるのだけど)。

そんな感じで、私にとってスナック水中は(友達や同世代が多く関わっているからこそ)、非現実の世界と言い切れなくて、プライベートと切り離すことがとても難しいのだな〜と感じています。いい意味でも悪い意味でも、スナック水中での日々は現実世界とそんなに遠くなくて、私の日常とは違うと割り切ることができなくなってしまってるんです。

答えを見つけようとすると増え続ける問い

お店の方針としては、「個人に任せる」である以上、「彼氏いるの?」に対する答えは自分で決めるしかありません。でも、スナックで働き出してもう1年半以上が経っているのに、まだ自分の中での答えは決められていないのが現状です(これを公開にすることである意味の宣言ではあるかもしれないけれど)。

彼氏がいると分かったら不快に感じるお客様がどれくらいいるのだろうか。彼氏がいるとわかっても変わらずお店に来てくださるお客様がどれくらいいるのだろうか(お客様みんなが私に会いに・話しにきている訳ではなく、なんならお客様のほとんどはママ目当てだと思うのだけど)。というか私は何を気にしているのだろう。お客様の気持ちなのかお店の売上なのか、それとも自分の気持ちや他人からの印象なのか。いろいろと悩むくらいなら嘘を突き通すのが簡単で楽かもしれない。でもそうなったら私は何年嘘をつき続けるのだろうか。というか私はいつまでスナックで働き続けるのか、とどんどん問いは現在進行形で増えていってます。

でも、最近、ママが背負っているものはそれ以上なのだなと感じることがありました。

少し前、スナック水中のママはリアルママになることを公表しました(詳細はママのnoteへ)。プライベートを仕事に持ち込まないが通例であるスナックのママという仕事柄、この発表にびっくりした人も多かったはず。現にママは、公表することでお客様が減ってしまうかもしれない!という不安を社内slackで綴っていました。

これがスナックじゃなくて、例えばただの洋食屋さんだったら、男性であれ女性であれ年齢問わず、ママの妊娠をスタッフ&常連さんみんなで喜んだだろうに。ママも売上の心配をすることなく、気軽に公表していただろうに。

スナックの世界の、夜の仕事の世界の、難しさと現実をあらためて知ったスナック水中2年目。楽しい日もあれば、もやもやする日もある。忙しい毎日でそのモヤモヤに向き合う時間がなかなか取れていない気もして、気づいたら3年目を迎えることになりそうで怖くもありますが、とりあえずはママの産休・育休期間を水中メンバーみんなでサポートできたらなと思っている次第です!

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