英語塾に転職してから、当たり前ですが、英語学習について振り返る/考える時間が増えました。また今月からはPR/マーケとしてだけではなく教室で教師としても働くことが決まり、現場を知る・見る時間ができたことでさらに考えが深まり…
英語学習において文法は必要なのか?について考え、友人などにも意見を聞いた上でいろいろ考えたのでまとめてみます◎
[関連記事]化学業界→教育業界へ。私が次のキャリアとして教育を選んだ理由
減らない「文法をもっと教えて欲しい」という要望
私が働いている英語塾、キャタルは少し変わった、特徴のある英語塾だと思います。教師が全員英語ペラペラなバイリンガル大学生、レッスン中は全て英語、使用する辞書も英英辞書。「英語塾」ではありますが、塾という感じがあまりしない。でもどう考えても英会話スクールではない。そんな感じの英語塾です。
入社前はホームページから得られる情報だけだったので、なんとなくですが、文法はそんなに重視していない塾だと思っていました*。で、入社して、教師もすることになって、実際に教師向け研修や先生になるための課題をやってみて、カリキュラムについて詳しく知ったら、文法がすごく大事にされていることに驚きました。
にもかかわらず、通われている生徒さんから、もっと文法をしっかりやりたいという要望があるということを聞き、なんでみんなこんなにも文法を重視するのだろうって考えるようになったんです。
*完全に偏見なのですが、自分含め、帰国子女の多くは自然と英語を習得した人が多いので英文法を学んだという感覚はない人が多いイメージです。感覚で文法を習得してしまっているので理由が説明できなかったり、なんとなく文法が苦手って感じている人がいるような。
文法至上主義な日本の英語教育からの変化
私が日本の中高に行っていたころ、英語の授業といえば文法ベースで、何詞がどうだという話やSVOCがきちんと判別できるかということばかりがテストに出たし、文法的にはあっているかもしれないけどそんな表現をネイティブが使ってるの聞いたことないぞ …?みたいなのが教えられていたり。
それでも、私が中高生だった時から日本社会における英語の立ち位置は変わりつつあり、日本の英語教育も変わらなければいけないという雰囲気にはなりつつあると思います。英語塾/英会話スクールが習い事として当たり前になったり、外国人講師がいる学校が増えてきたり、小学校から英語の授業が当たり前になってきたり。私は知らなかったんですが、昨年の大学入学共通テストでは文法問題が減り、代わりに長文読解の問題が増えたみたいです。
少しずつの変化かもしれないけどそれでも素晴らしい!と思っていたのも束の間、4技能試験の導入は見送りが決定。日本の英語教育がまた一歩後退したように感じたりもしましたが、だからこそ英語塾ができることがまだまだあるんだなともポジティブ変換…笑
*ちなみにこの4技能試験の導入経緯なども含めてこの本は勉強になりました⇩
文法が大事と思うか友人に聞いてみた
さて、本題に戻りますが、文法問題が大学入試でも減りつつある中、それでも文法は大事なのか?今後、文法をもっと教えて欲しいと言う生徒は減っていくのか?について。
実際に友人などに聞いてみたところ、何人かから文法を勉強する必要性がある(大事だ)と感じるのは学校のテストや資格試験で必要だからという答えでした。これがまさに英語塾でも文法が求められている理由でもあるのだけれども、これってどうなのだろう…と思った私。英文和訳問題が減れば、文法が必要と感じる人は減るのだろうか。
もう1つ回答としてよくあったのが、伝えたいことを正確に伝えるためには文法が大事という意見。適切な英語が適切な場で使えるように、文章でもきちんとやりとりできるようにするためには文法が必要という意見には確かになと思いました。会話でなら形として残らないけれどメールなどの文面を文法がめちゃくちゃなbroken english で送るのはちょっと…って感じしますよね。
前者はあまり納得できなかったけど、後者は確かにと言う感じもして、最低限の文法は必要だなと私も感じました。
対等な関係でスタートをきるための文法
私はどちらかというと文法ばっかりの日本の中高の英語の授業を馬鹿にしてきた節があります。だって、文法が分かっててもコミュニケーションが取れなければ文法は意味のない知識。日本人の多くは文法を気にしすぎて会話が進まないということからも、文法の必要性を感じたことがあまりありませんでした。
文法が完璧でなくても支障がない。楽しく英語で話せればいい。だからどちらかというと文法はいらないかなと思っている方だったのですが、今回そんな考えが変わったのが会社の先輩の回答でした。
「ネイティブと対等で世界に挑むため」
英語が母国語の人と対等に戦いたければ、ネイティブに対抗できる英語力、すなわち発音がネイティブ並であることや、会話が成り立つことだけでなく文法が正確であることも欠かせない。だからこれから世界に出て行きたいと思っているなら文法は必要不可欠だと。
もう1人、友達にも文法を勉強するべき理由は”to show that you’re educated(教養があるという証明になるから)”と回答してくれた友達がいました。
将来、世界で活躍しようと思った時にどれだけ会話が成り立っても、違和感が残る話し方や書き方をする人は「英語を第二言語としている人」あるいは「教養がない人」として分類され、対等な立場で向き合ってくれなくなる。対等に扱って欲しいのに、どれだけコミュニケーションが取れても、文法ができないだけで対等な関係じゃなくなる。対等なスタートがきりたかったら文法が必要という意見は私にとってしっくりきました。
英文法は大事なのか?に対する私なりの答え
日本の文法ベースの英語の授業なんて意味ないと思ってきた私ですが、今回いろいろ考えて思ったことは、日本の文法ベースの授業が悪いのではなくて、ただ文法に偏りすぎているからだめなのだと言うこと。文法の座学ばっかりじゃなくて、それと同じくらいの時間、スピーキング中心の授業があったら、学んだ文法がすぐに活かされ、4技能が伸びて価値のある時間になる気がします。
また、英文法が大事なのかどうかはその人の英語学習の目標によると思います。将来世界で活躍しないともう決めていて、仕事で英語は一切使わないと決めきった大人はもしかしたら文法はいらないのかも。日本で一生暮らすと決めていて、日本で外国人観光客に道を聞かれたときに答えられたらそれでいいと言う大人にとって文法はもういらないのかも。
でも、英語塾にきている小学生〜高校生が将来どんな仕事に就くのかなんて全然分からない。だからこそ少しでも将来の選択肢を増やしてあげるためにも、少しでも多くの使える武器を持たせてあげるためにも、小中高生の英語には文法が必要不可欠なんだなという自分が納得できる結論になりました。
文法は大事なのかという問いに対して意見・コメントくれた皆さんありがとうございました◎
コメント